触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
少し経って寝たかな?と見たら目は閉じてるもののなかなか寝れないみたい。
何度も握る手をギュッとされる。
そのたびに心臓は跳ね返ってソワソワしてしまう。
やっぱテスト勉強するの無理っぽい。
「………寒い」
消え入りそうな声に目を向けると、確かに身体が震えてる気がした。
え?今度は寒い!?
布団を肩までかぶせてみるけどまだ寒いらしい。
「もう一枚何か着る?トレーナーとかあったよな…?」
衣装タンスに向かおうとしたけど手は離してくれない。
ようやく目が開いて小刻みに震えながら
「ヒロ……温めて」って一瞬頭が真っ白になる。
「え……!?」
ど、どうやって!?!?
エアコン…!!
壁掛けリモコンに手が届かねぇ…!
握る手だけ何でこんな力強いの!?
ストーブ…!!
コンセント刺さってねぇし届かねぇ…!
キョロキョロしてたら見兼ねて布団の中に引き込まれた。
「わわっ…!」
落ちないようにギリギリセーフで乗っかる。
離れた手は腕枕にされ華奢な手にギュッと抱き寄せられてる。
グイグイと身を寄せ合い、俺の片方の腕は手持ち無沙汰だ。
何があってこうなった!?
今、めちゃくちゃ至近距離に顔があるし
身体もピッタリくっついてる。
「……ヒロ、温かい」
って…!!!!
これはヤバい……!!
今までで一番ヤバい状況だろ……!!
いくら何でもこれはやり過ぎだ!!
俺が壊れちまう!!
無理だ……!!
スッとお尻だけを後ろに引いた。
離れた分また詰めようとするから思わず止めた。
「姉貴…!これはさすがにヤバいって…!」
熱のせいとかもうそんな次元じゃねぇから…!!
惚れてる相手にこれされるともう止める自信ない。