触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「違うよ〜そりゃ行きたいお店はあるけど……どうせならデートっぽくしない?」




「え、デート!?」




ヤバっ、周りに聞かれてないかキョロキョロしてしまう。




「せっかく2人きりなんだもん、デートしてよ……もう受験間近で遊んでらんないんだけどせめてもの息抜きで」




それ、相手が俺でいいの……?
モテるのに……声かけたら喜んでついてくる奴いっぱい居るんだろ。
なのに何故、俺……?




「その相手が弟かよ」




自分で自分の首を絞めること言っちゃう。
そしたら簡単に腕組んでくるんだもんな。




「え、ヒロが良いんだけど?」




思わず見入ってしまった。
最強の上目遣いにまんまと捕まる。
あ、これヤバいやつだ………
胸ごと鷲掴みされるやつじゃん。
キュン…じゃなくてズキューン!ってやつ。




「あっそ……」




ヤベ………ツンデレのデレが出来ない。
ただの素っ気ない奴なだけ。
だたただ顔が熱い。




「ふふん、耳まで真っ赤だよ?照れちゃって…」




奈那には何故か全てお見通しだそうで。
何度も「楽しみだよね?」って聞いてくるから、そこは根負けして「うん…」と言ってしまった。




屈託のない笑顔が朝日に包まれて眩しい。
「ほら、早く行こう!」って腕を引かれる。
本当、ズルいよな。
勝てねぇよ、好き過ぎてヤバい。













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