触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
「そうそう、奈那休んだ日も2人仲良く3年の校舎来てたもんね」ってチカさん〜!
それに乗った桜井さんも口が止まらない。
「告ったけど速攻フラれました、でも私結構しぶといんで隙あらば攻めていこうかなと」
「わ〜肉食系なんだね?ギャップ萌えだ」
ほらね、桜井さんの手とか握っちゃってトンチンカンなこと言うでしょ?
「また今度お家おいでよ〜ヒロの秘密いっぱい知ってるから教えてあげる〜」ってそこ提携結んじゃダメだろ!
靴を履き替えてそれぞれに向かう時。
もうすでにLINE交換しててびっくり。
「奈那先輩の都合良い時メッセください」
「OK〜!」
2人が仲良くなるとかやっぱとんでもないことが起こりそうな………
奈那、一体何考えてんだよ。
少しは妬けよな………
風邪の時はあれだけ俺にしがみついてきたくせに。
「あっ!そうだ!」って奈那の声が後ろから聞こえてきて俺たちは振り返る。
タタタ…と駆け寄り桜井さんに向かって手を合わせて謝るポーズ。
「テスト終わった後の土曜日だけは私にヒロちょうだい!」
「え…!?」
はっきり聞こえて思わず赤面。
ちょ、ちょ、ちょ…!今それ言う!?
桜井さんポカンと口が開いてる。
「土曜日……ですか?」
「うん……いいかな?」
って、何で奈那が赤面してんの!
視線逸らして言うとか可愛すぎだろ!
こんな真っ赤になって話す奈那を見たことがあるだろうか。
「いや……私たちまだ付き合ってもないですしそういうのは許可なんか取らなくてもいいですよ!お姉さんなんですから」
「え、でも……ひよりちゃん、ヒロのこと好きだから申し訳ないなって……」
「土曜日なら私もテスト終わって爆睡デーなんで大丈夫です」
そ、そうなの!?爆睡デーって………
いや〜でも今の奈那の顔、写メりたかったなぁ。
今日一日思い出してニヤニヤしそう。
それよりわざわざそんなのカミングアウトしなくたっていいのに。
2人だけの秘密だと思ってたのにな。