触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜
【好きの距離】





テストの出来はまずまずといった感じ。
答案は全部埋めれたし見直す時間もあった。
今までにない集中力だったぜ。
それも全ては土曜日の為。
奈那とのデートの為なんだ!!




テスト最終日のホームルーム終了後。
全学年一斉下校だから奈那と帰れる!と思ってたのに。
桜井さんにガッツリ腕を組まれ
「今日はまだ私のヒロくんでしょ?」ってどういうこと!?




「熱いね〜ムカつくわ」と純太たちも冷たい目。




「違っ!違う違う!」




「何が違うの?私たちこれから付き合うかも〜?だから」




桜井さんの突然付き合うかも宣言でクラスが一時カオス状態と化したのは言うまでもない。




「周りには勝手に言わせてりゃいいの、私の人気ぶりナメないでよね?利用出来るとこはとことん利用するわよ」




「近い、近いから…!」




完全に桜井さんのペースだ。
利用するって…!?
俺の気持ちは無視かよ。
そんなことより月曜からの学校生活が心配だ。
不安要素しかない。




案の定、奈那にも見られちゃったわけで。
ムッとしてくれてんのかな?って見れば、門を出たところで他校の生徒に声かけられてんじゃん…!
え?なに?告白とか!?




あんまよく見えないけど……
奈那、笑ってる!?
他の男にヘラヘラすんなよ!
あの制服ってS校だよな?
チャラい奴ばっかのとこじゃんか!
早く離れて…!!




「ちょっと!」って顔ごと桜井さんの方に向けられた。





「イチャイチャしてヤキモチ妬かせようとしてんのに、なにあんたがヤキモチ妬いてんのよ!」




凄まじい勢いで怒鳴られたもんだから顔面蒼白………




「す、すみません……」




そういう作戦だったんですか………
恐れ入ります………







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