触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「えーと、各教科95点以上でプラス5千円だったっけ?トップ10入るにはそれくらいの点数叩き出さないと無理だもんね?」




シュン…となりどんどん小さくなっていく奈那。
ボソッと「言わないでよ」と言った。




「で、4教科クリアしてカツアゲされたってわけ」




「カツアゲって人聞き悪い…!ママだってちゃんと承諾してくれたじゃん」




拗ねてる奈那可愛い。
ていうか4教科も取るなんてすげぇな。
やっぱ頭良いんだ。
そういや順位は7位だっけ?
それだけ取っても7位かよ。
上位の奴らバケモンだな。




「そっか、じゃあこれは姉貴の努力の賜物だな!ありがと、大事にする」




満面の笑みで返す。
どう?ちゃんと弟っぽいでしょ?
「うん…」と恥ずかしそうに目を逸らす奈那がこれからも困らないよう配慮するよ。
だから昨日のキスの件は忘れてください。
桜井さんとはそんなんじゃないから。




「手伝います」と食器を出したりお箸を並べたりして上機嫌をアピール。
少し前のプチ反抗期なんて感じさせないくらい鼻歌でも歌ってやった。




大丈夫。




俺も普通に出来てるよ。




「姉貴食べないの?じゃあ貰おーっと」




「あっ!大好きな春巻き、最後に置いてたのに!」




「俺は好きなの最初に食べる派〜!」




「ちょっ、出して!吐き出せ!」




「ゴホッ!首締めるな!」




「ちょっと2人とも!行儀悪いよ!」




こんなやり取りも正直今までなかったかも。
それだけ心は打ち解けて距離も近付いてるんだと思う。
だから自然と………姉弟になれてるよな?







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