触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
【罪の意識】
「はっ!?あんたそれで良いわけ!?それでも男っ!?ないわ〜!」
いつの間にかあんた呼ばわりされてる……
いや、良いんだ。
俺が不甲斐ないばっかりに。
こうして喝を入れてくれる桜井さんには本当感謝してる。
こんなセリフを吐いておきながら校内ではラブラブ作戦継続中だもんな。
ニコニコ笑顔で言われるとなかなか堪える。
何か自分が本当にクズに思えてくるよ。
「そんなの絶対あんたの自己満!都合の良いその場しのぎじゃない?ヒロくんが本音でぶつからなきゃ何の意味もないしその先には進めないのよ!」
あ、やっと名前言ってもらえた。
そして心からの溜め息。
「わかってるよ……このままだとズルズル流されて底なし沼なのも」
自分でも呆れるくらいわかりきってる。
でも、それでも良いって思えるほど失いたくないんだよ。
もし今、奈那が俺の人生から消えてしまったら……間違いなく生きていけない。
もしくは後を追う。
「人生一度きりだよ?気持ち伝えないまま自分に嘘ついて生きていけるの?」
「まぁ、でもほら、長い人生なら途中で他に好きな人と出逢う可能性だってあるわけだし?俺だっていつまでも1人でいるかわかんないだろ?」
空振り元気も全部見透かされてる気がする。
憐れみの目。
「そこは私じゃないのかよ!クズだな」
「ごめん………」
「二度と謝るな、胸くそ悪い」
桜井さんってキレると口悪くなるよね。
普段周りには見せないドSキャラだし。
「じゃあ2択にする」
「え…?」
「自分の気持ちを正直に伝えるか、それが出来ないなら全力で私のラブラブ作戦に乗っかれ」
「……えっ!?!?」