触りたい、縛りたい、愛したい  〜例え許されない恋だとしても〜




「こんな2人見れるなんてめちゃくちゃレアだぞ!」と純太と宏介は目の保養だとばかりに興奮してる。




この勝負の行方、見届けないといけないんだよな……?
ソファーに座ると両隣を固められる。




「祐翔、お前よーく目に焼き付けとけよ?こんな美女2人がお前を賭けて対戦してんだからな?」




「う、うん……」




「その対戦中に何なんだけどさ、これは俺らからのささやかなプレゼント」




ブレザーの胸ポケットから出しにくそうに勿体ぶってくる純太。
プレゼントとか初めて貰うぞ?
小さな紙袋に入れられた一枚のDVD。




「ありがとう」




中身は何かと開けようとしたら必死に止められた。
「自分の部屋でこっそり見ろって」って何だよ。
明らかに怪しいやつか…?




「とにかく早く部屋に直しに行け」とかおそらくいかがわしいやつなんだろ。
「悶々してるヒロくんに餞別だよ」って気持ちの悪いウィンク。
やっぱりそうか。
背中を押され仕方なく部屋に持っていく。




俺は見ない………見ないぞ。
別に悶々なんかしてねぇからな。
1人でなんか………ゴニョゴニョ。




「やった!私の勝ち!」




リビングから奈那の嬉しそうな声がして慌てて降りていく。
あと2回勝てば奈那の勝利。
悔しそうな桜井さんは「もう1回!」と続けて対戦モード。
2人ともうっすら汗ばんでる。




このゲーム、初めのうちはよく一緒にやらされた。
何気にヨガやってる奈那の方が体幹鍛えてるからリズム感もバッチリなんだよね。
ほとんど勝てた記憶ないから今回も奈那の圧勝なんじゃないかな。




2回目、後半の追い上げで僅差で勝ったのはまさかの桜井さん。
やっぱり上達してる。
笑顔でのハイタッチに思わず応じてしまったけど心の中では違う方を応援してた。






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