触りたい、縛りたい、愛したい 〜例え許されない恋だとしても〜
今日から冬休み突入。
勿論、学校はないから昼間は俺と奈那の2人きり。
いつも通り目が覚めちゃって、涼子さんが居る時間帯にリビングに降りる。
奈那は………まだ寝てんだな。
「奈那は昼過ぎまで寝てるかもね、昨日夜中の3時くらいまで勉強してたっぽいから」
「えっ!?あ、そうすか……」
「夜中のトイレで起きたらここに居て、リビングの方が集中しやすいみたいだからホットココア飲ませたけど結構集中してたから昼間は休ませてあげてね」
「はい………ま、俺も外に出たりするんでぐっすり寝れるかと」
「ありがとう、じゃあ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
涼子さんを見送ってリビングに戻ったらちょうど階段を降りてきた奈那。
ボーッとしてた頭が一気にフル回転するほど目が覚めた。
「ん……ママ行っちゃった?」って目をこすりながら降りてくるけど、何だよその格好…!
オーバーサイズの薄手ワンピ。
しかも膝上!素足!
おまけに片方だけ肩出し…!!
欠伸しながらフラフラで洗面所に消えていく。
顔……洗ってんのかな?
まだ寝てりゃいいのに。
3時間半しか寝れてないじゃん。
「今日、どっか行く?」
眠たい時の甘えた口調。
戻って来てコーヒーを入れながら聞いてきた。
「ん、特には」
「デートは?」
のそのそと歩いて自分のイスに座る。
あの、付き合ってないんですけど。
でもそのていで動けって桜井さんは言う。
奈那が嫉妬するかどうか見極めるんだって。
ここまで素を出されてて俺のこと完全に男として見てるわけないと思うんだけど。
毎回毎回俺だけがドキドキしてるっぽいしね。
からかわれてるとしか思えないんだよなぁ。
誕生日だって家族として死守してくれたわけだし。