うっかり少年
 学校についたのは、一時間目の授業が始まる直前だった。
 
 うっかり道を間違えちゃったせいで、
 こんなに時間がかかっちゃったんだ!(これで罰当番しなきゃいけなくなっちゃった!)

 がらがらっ!
 教室のトビラを開けると、みんながいっせいに僕を見た。
 うう、この瞬間は好きになれない。
 ちょっと遅れたくらいで、みんなは大げさすぎるんだ。

「おくれました。ごめんなさ――あれ?」

 なんだか、おかしい。
 みんな、驚きすぎじゃないの?

 先生は口を大きく開けて、金魚みたいにパクパクしているし、
 友達のゴンチは目を何度もごしごしこすって、不思議なものを見るみたいに僕を見ているし、
 他のみんなも変なようすで僕を見てとても驚いているみたいだ。
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