【短】じっとできない


なんなんだろうか?

この態勢は…?


放課後、荷物を忘れたことに気付いて、教室に取りに行った帰り。

ふと、廊下で幼馴染の小河汰一(おがわたいち)の姿が見えて…。


「おーい」


と声を掛けようとして私はヤツからは見えない壁に、ベタリと背中を押し付けた。


「小河くん、好きです。付き合ってください」


おー…これって告白現場ってやつですか?
なんでこんなところに出くわすの…ジーザス?

私は心の中で溜息をついて、とりあえず汰一がなんて応えるか、見守ることにした。


どうせ、この距離からなら見付からないだろうし…。



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