【短】じっとできない
その翌日から、なんとなく気まずい感じが続いて、その結果的汰一のことを避けるようになってしまった。
汰一とはクラスが違うから、なかなかタイミングも合わなくて、部屋から追い出してしまったことも謝れてない。
「はー…なんだかなー…」
そう独りごちて、足をぷらぷらとさせていると、まりちゃんが後ろから声を掛けてきた。
「じゅーりあ。なんか、悩んでるみたいだけど大丈夫?」
「まりちゃん…そんなに私、悩んでるみたいに見える?」
「うん。ひっどい顔してる」
そういえば、ここ数日ちゃんと眠れてないなぁと思い当って…まりちゃんにてへへと笑い掛けた。
「何か悩んでるならちゃんと言いなよー?朱里亜はそういう所一人で抱え込んじゃうんだから…」
「うん。ありがと。あ…まりちゃん彼氏さん呼んでるよ?」
と、教室の入り口を指差すと、まりちゃんははにかんだような笑みを浮かべて、
「ごめん、朱里亜。私今日は約束があって…」
「ううん。いいよいいよー…こっちこそごめんね?心配掛けちゃって」
そう言うと、私はばいばいと笑顔でまりちゃんを送り出した。