【短】じっとできない
「細貝さんさぁ?」
「んー?なに?」
「汰一のこと、好きなんでしょー?」
「…………は?」
突然の問い掛けに、心臓が止まりそうになり、反応が遅くなる。
これはすなわち…肯定に値する…。
私はなんて言おうと口をパクパクさせてから、ううーんと肩を落とした。
林くんは、汰一の親友。
だから、嘘をついても仕方がない…というか良いことが多分ない。
「好き…なのかなぁって」
「あれだけ、近くにいて今更そこ?」
くすくすと楽しげに笑われて、ムッとする。
「だって、仕方ないじゃん。距離が近過ぎたんだもん」
「そ?けど、他の子に取られる可能性に気付いてしまったわけだ?」
「もう!林くんの意地悪!」
ぽかんっ
そう音を立てて林くんの肩の辺りを叩くと、ごめんごめんと謝られた。