【短】じっとできない
はにかむ私を離すことなく、暫く抱き締めたまま汰一は独り言のように呟く。
「俺の心は何時だって朱里亜のものだよ」
と。
温かさであふれ出す恋ゴコロ。
「私も汰一が…好き…」
そう告げると泣きそうな顔の汰一が、また私の両頬をやんわりと撫でてから、
「俺の方が何千倍も好きだって」
と、蕩けるようなキスを与えてくれた。
幸せでずっと……心が震えてる。
このまま切なさを感じさせないで?
この胸の中、貴方という幸せで満杯にして…一生大切に育んでいくから…。
貴方を好きだという私は、貴方を思う私は…。
もっともっと貴方が欲しいから、
これからずっと、じっとできない。
Fin.