僕を壊したのは君だから。
◇
昨日の島田くんのアドバイスがなかったら私は今、こうしていない。
私は今、手汗を握りながらある女子の前に立っている。
「……あの、今度の遠足のおとまりの部屋、一緒に組みませんか……」
実はうちのクラスのには、私以外にもうひとり誰とも絡まない一匹狼さんがいる。
――香田 砂月さんだ。
実は何度も話しかけようと思っていたけど、できなかったの。
理由は、垢ぬけた美貌。
どう考えてもイモっぽい私と友達になんてなるわけがないって、思っちゃって。
そんな香田さんの前で手に汗にぎって立っているのは、紛れもなく島田くんのおかげ。