僕を壊したのは君だから。

「……俺、独占欲強いっていったじゃん」



つんっと、ブラウスの脇腹のところを引っ張られた。


甘えっぽい指先にどきっとする。



「島田とアイコンタクトなんかしてないで、こっち見てろよ……」



恥じらいなくそんなこと言ってのけないで。


顔を真っ赤にほてらされながら唖然とする。


……寝ぼけてるの……?


いや、起きていても彼は言うんだろう。


冗談が過ぎるんだってば……。どうなってるの?


どきどきして、何も返せなくなって視線を逸らしたら、朝比奈くんの指先が私の制服から外れて、だらんと宙にゆれる。



「……宮岡さんのばか」


そういって、寝息を立て始めるマイペースさが信じられないよ……!


わかってる。
全部適当なこと言ってるだけのからかいだって、わかってるのに。


私だってもう、突っ伏すしかなかった。


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