僕を壊したのは君だから。
「……暑ー。この扉、ほんと開かないな」


くるりと背を向けて扉の前に再び立った朝比奈くんは、乱暴に扉を蹴り始めた。



「パシられることが趣味の誰かさんが、体育の片づけなんか引き受けるからこんなことに」



いちいち文句が飛んでくる。



「……朝比奈くんを巻き込んだつもりはなかったんだけど」



「ひとりで大荷物を運ぼうとしてる馬鹿な姿が見えたら、ほっとけないでしょ」



また言いたい放題だけど、

そういう優しいところ、ずるいんだってば。

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