僕を壊したのは君だから。

――ガンッ。


蹴るのをやめて、両手でこじ開けようとする後ろ姿。


もし一人だったら私は今ごろ大パニックだったと思う。


だから、本当は感謝してるけど……。


「宮岡さん、体調大丈夫?熱中症になってない?」


「う、うん……、平気」


いや本当は、さっきから足元がふらふらするけど。


でも、朝比奈くんがくれたこの壁の冷たさでなんとかなるかな……。


気を引き締めているうちに、バランスが崩れて。


あれ?


なぜか体が横に傾いていく……。



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