僕を壊したのは君だから。
「……っ」
顔を背ける朝比奈くんの横顔。
ぼんやりとした視界、うつろな頭、鈍っていく感覚。
どの器官を通しても、尋常じゃない緊張感が朝比奈くんから伝わる。
「……大丈夫?」
顔にかかった髪を朝比奈くんの指先に払われた。
じんじんしそうなほど火照る体。
首元を、ほんの少し温度の低い朝比奈くんの手の甲に冷やされて。
「……ん」
思わず首を竦めた。
気持ちよくて、逃げ出したいほど恥ずかしくて。
でも、ぼんやりと彼を見つめる私の目は、そこから動かない。
私の目はもう本能でしか動いていないらしい。
朝比奈くんの瞳がまるで動揺するように揺れたかと思えば
ブラを隠す私の両腕の上に細く畳んだ体操服がかけられて、
朝比奈くんは顔をそむけた。
「俺の理性がぶっ飛ぶ前に出してあげるから、待ってて」