僕を壊したのは君だから。
……ほんとは全然手ごわくなんかない。



学年の王子様に毎日告白されて、嬉しくないわけがない。



そういう自分を見抜かれないように、ポーカーフェイスを貫こうと、こんなに頑張っているのに。



意に反して頬が熱くなっていく。



朝比奈くんはそんな私を横目で見てから、いじわるく、



「……赤くなってやんの」



そういうことを言う。







学年一のイケメンこと、朝比奈岬くんは、


この春同じ高校に入学したクラスメイト。



入学式で撮ったクラス写真を見れば、朝比奈くんと私が別次元の生徒だってことは一目瞭然。



朝比奈くんは、最前列で気だるげに胡坐をかいて、男女問わず陽気な人達に囲まれているような人。


片や私は、そこからだいぶ離れたところで緊張に呑まれて突っ立って、かろうじてピース。



関わることのなさそうな朝比奈くんがどうして私なんかに話しかけてくるようになったかというと。



話は、つい2週間前にさかのぼる。



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