僕を壊したのは君だから。


―――
――


二週間前、朝比奈くんに「放課後、裏庭に来て」と呼び出された私は、心臓をバクバクと鳴らしながら彼を待っていた。




私、少女漫画育ちだから……やっぱ思っちゃうじゃん。



(もしかして告白……。ううん、そんなのありえない。でも……)



朝比奈くんが私を待たせた10分間は本当に心臓が弾けそうだった。



結論、告白だった。


「ねぇ、宮岡さん。これ罰ゲームなんだけど、俺と付き合ってくれない?」




まるでやる気のない気だるげな表情と抑揚のない声は、私を凍りつかせる。


「……嫌、です」



これ以外に出てくる言葉なんかないよね?



何度考えても想定内のことを言ったのに。



琥珀色の目は、私をぼんやりと眺めて。



少し時間をかけてから、きょとんとした顔に変わった。


「……。俺振られた?」



たしかに、モテるために生まれてきたような朝比奈くんにとっては起こりえない現実だったのかもしれない。


だから理解が遅れたのかもしれないけど……。



「……当たり前でしょ」



どんな子だったらこの告白にオッケー出すのか知りたいよ。


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