私たちの春は白

「は〜い。じゃあ、午後は葵ちゃんと少し遊んでいい？」

「うん。夕方までなら大丈夫！！」

雪ちゃんと遊ぶ約束をし、私はメニューを見る。おいしそうな海の幸がメニューには書かれている。迷うな……。

「俺、しらす丼にする！」とお兄ちゃん。

「じゃあ、アジフライ定食にしようかしら……」とお母さん。

「う〜ん……。エビフライ定食で」とお父さん。

みんな決めるの早すぎ！私は未だにメニューと睨めっこ中。だって、どれもおいしそうなんだもん……。

「おばあちゃんは何が食べたい？」

お兄ちゃんがおばあちゃんに訊ねると、おばあちゃんは「これ」とメニューを指差す。新鮮なサーモンやイクラ、イカに鯛などが乗った豪華な海鮮丼だ。

「私もそれにする！！」

運ばれてきた海鮮丼は、とてもおいしかった。おばあちゃんと「おいしい」と言いながら食べる。

小さい頃に戻ったような気がした。



お昼を食べ終えた後、私服に着替えた雪ちゃんと共に私は町を歩く。お父さんたちは別で観光を楽しむみたい。

「あっ！あそこの駄菓子屋さん懐かしい」