私たちの春は白
「先生!普通の物忘れとは違うんですか?」
チェリーが訊ねると、「いい質問だね〜」と伊藤先生は笑う。颯が手を挙げた。
「一般的な物忘れは、体験の一部だけを忘れます。例えば、今日の朝ご飯は何だっけ?というものです。しかし、認知症の場合は体験したこと全てを忘れます。今日の朝ご飯を食べたっけ?という風になってしまいます」
颯に拍手をした後、伊藤先生がまた説明をする。
「物忘れや、時間や場所がわからなくなる見当識障害は、中核症状と言って全ての人に起こる症状です。全ての人がなるわけではない症状のことを周辺症状と言って、徘徊やとられた妄想があります」
そこで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、みんなで礼をして解散する。教室まで向かう時、みんなと話すのはやっぱり授業のことだった。
「今日の授業、すごかったよな」と太陽が言い、認知症の話で盛り上がる。
「葵ちゃんのおばあちゃんも認知症なんでしょ?」
結衣が私を見つめる。そうだ、詩織以外にも、チェリーと結衣に話したんだった……。
チェリーが訊ねると、「いい質問だね〜」と伊藤先生は笑う。颯が手を挙げた。
「一般的な物忘れは、体験の一部だけを忘れます。例えば、今日の朝ご飯は何だっけ?というものです。しかし、認知症の場合は体験したこと全てを忘れます。今日の朝ご飯を食べたっけ?という風になってしまいます」
颯に拍手をした後、伊藤先生がまた説明をする。
「物忘れや、時間や場所がわからなくなる見当識障害は、中核症状と言って全ての人に起こる症状です。全ての人がなるわけではない症状のことを周辺症状と言って、徘徊やとられた妄想があります」
そこで授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、みんなで礼をして解散する。教室まで向かう時、みんなと話すのはやっぱり授業のことだった。
「今日の授業、すごかったよな」と太陽が言い、認知症の話で盛り上がる。
「葵ちゃんのおばあちゃんも認知症なんでしょ?」
結衣が私を見つめる。そうだ、詩織以外にも、チェリーと結衣に話したんだった……。