私たちの春は白
「葵……」

お兄ちゃんたちがとても驚いた顔をしている。そりゃあそうだよね。今までおばあちゃんに対して怒ってばかりだったもん。

私はかばんを手にし、「行ってきます!」と言って家を出た。今日も学校だ。福祉の授業がある。

風が、優しく私の頰を撫でた。



介護の授業が始まると、伊藤先生が「今日は最初に配るものがありま〜す!」とニコニコしながらプリントの束を指差す。そのプリントには見覚えがある。提出した宿題だ。

福祉に関することで自分が興味のあることを調べる、という宿題が前に出され、私は手話について調べて提出した。

「一番よかった人の福祉に関することを、授業でしようかな」

伊藤先生がこの宿題の話をした時にそう言い、福祉コースの全員の目が輝いたことはよく覚えている。

「プリントが返ってくるまで、何について調べたか秘密にしようぜ!」

太陽がそう言ったため、私たちは自分が調べたこと以外は何も知らない。みんながどんなことを調べたのか、すごく気になる。

「私は、他の国の介護について調べたよ」

チェリーがそう言って、書いた内容を早速教えてくれた。それを合図にみんなが次々と教え合う。
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