私たちの春は白

「二人とも、行くわよ〜！」

ご機嫌なお母さんに言われ、私とお兄ちゃんはその場を後にした。



楽しい休みも終わり、月曜日。福祉コースの教室はいつも通り賑やか。

「今日は、肢体不自由と内部障害について勉強したいと思いま〜す！」

伊藤先生の言葉に、太陽が「よし！頑張るぞ〜！！」と言う。結衣が苦笑しながら「暑苦しいよ！」と言った。

「せっかく発達障害をしたから、体のこともしようと思ってね〜」

伊藤先生はそう言いながらプリントを配っていく。大きなグラフの乗ったプリントだ。

「このグラフは、身体障害者の障害の割合を調べたものです。一番多いのは肢体不自由と言って、上肢（腕）や下肢（足）、身体を支える体幹、または全身の運動機能に障害があることを言います」

二番目に多いのが内部障害。そして、三番目が聴覚・言語障害でその次が視覚障害だとグラフには載っている。

「さて、肢体不自由になる原因の八割は一体何でしょうか？」

伊藤先生の質問に、みんなが一斉に手を挙げる。

「交通事故です！」とチェリー。

「まあ、脊椎を損傷するケースもあるけど違うかな〜」

え〜、交通事故って言おうと思ってたのになぁ……。そう思ったのは私だけではないようで、海斗や太陽が悔しそうにしている。