私たちの春は白
他にも、林業コースや商業コース、調理コースや美術コースなどもある。

一年生の終わり頃に、第三希望まで自分の学びたい分野を選ぶ。私は第一希望に美容コースを選んだ。将来の夢は美容師だから。

「よほどのことがない限り、みんな第一希望だよね?」

調理コースを選んだ友達は、少し不安そうに私に訊ねる。

「大丈夫でしょ!」

私はニコリと笑って言う。

その時、私のスマホに突然電話がかかってきた。かけてきたのは、友達の一人の宮内詩織(みやうちしおり)。詩織は福祉コースを選んだ。

「もしもし。詩織、どうしたの?」

のん気に話す私に、詩織は驚くことを告げる。

「葵、あんた……福祉コースだよ」

「は……?」

私の目の前が、真っ暗になった。

嘘だと思いたかった。私の足は自然と速くなる。

クラス分けの紙に、その人が学ぶコースが書かれている。

学校では、詩織が戸惑った様子でクラス分けの紙を見つめていた。

「あんた、福祉コースを選んだの?」
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