私たちの春は白
「みんな、さすがですね。この短時間にこんなに出るとは思っていませんでした」

杉浦先生に褒めてもらい、私たちはニコニコと笑う。そして、これから実際にやってみる手話について話す。

「手話とは、聴覚障害の人が手を用いて表現する伝え方です。手話は世界中に様々な言語があるように、国によって違います。面白いのは、同じ英語圏であるアメリカとイギリスでも手話は全くの別物というところです」

「へえ〜……」

興味深そうにチェリーが呟く。私も心の中で驚いている。

「では、問題です!世界で初めて手話とろう学校(ろう者が通う学校)が誕生したのはどこの国でしょうか?」

当然出された問題に、私たちは驚きながらも考える。チェリーが「はい!!」と手を挙げた。

「オランダ!!」

「違います。でも、ヨーロッパの国ですね」

杉浦先生から最大のヒントをもらい、私たちは思いついた国名を言っていく。

「ドイツ!」と颯。

「デンマーク!」と詩織。

「イギリス!」と私。

「ベルギー!」と結衣。

「ギリシャ!」と海斗。

「スペイン!」と太陽。
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