私たちの春は白
この時間帯にやっているドラマでも見るのかな……。私はそう思いながら湯飲みに口をつける。

「ぬるっ!!」

温かくも冷たくもないお茶がそこには入っていた。まあ、喉の渇きはもうなくなったしいっか……。

私はもう一度横になり、目を閉じる。気が付けば夢の世界の住民になっていた。



三日間学校を休み、私はドキドキしながら福祉コースの教室の席に座る。

「葵がいないって変な感じだったよな」

海斗がそう言うと、チェリーも「いつもいるメンバーがいないとね〜」と笑った。

「体調は大丈夫なのか?」

颯に訊かれ、私は「大丈夫だよ。ただの風邪だったから」と言う。

詩織たちと話し、伊藤先生が来るのを待った。

チャイムが鳴ると同時に、「は〜い、みなさんおはようございま〜す!!」と言いながら伊藤先生が教室に入って来た。久しぶりの授業に、私は胸を高鳴らせている。

「葵ちゃん、体調は大丈夫ですか?」

伊藤先生に私は笑顔を見せ、「大丈夫で〜す!」と言う。伊藤先生もいつものようにニコニコ笑ってくれた。
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