缶コーヒー

いろんな声が飛び交っていた。
ガラガラと扉を開けて転校生が入ってきた。
そこには爽やかな風が吹いていてクラスがどっとざわめいた。
黒髪のサラサラロングに透き通った白い肌、二重でぱっちりとした茶色の瞳に吸い込まれそうになる。身長は僕と同じくらいだろうか。女子にしては高めに思えた。
「初めまして、白石桜と言います。残り3ヶ月でこのクラスとは離れてしまうけど、仲良くしてください」クラスが祝福ムードに包まれた。
「席は、、空いてるところに座ってくれ」
僕の前の席だった。僕の前に座った彼女は少し大人な香りがした。「よろしくね、君は、、」
「堀田です、堀田風磨」
「ふうま、、いい名前だね!」そう言って微笑んだ。ここから僕と桜との一年間が始まったんだ。
5月になってクラス合宿というものがあった。
6限目のホームルームで男女1人ずつリーダーを決めなければならなかった。僕はぼーっと窓の外の木を見つめる。緑色の綺麗な葉をつけて風にサラサラと揺れている。僕には関係のないことだから教室の話題なんて耳に入っていなかった。
「てことできまりだな」
みんな僕の方を向けて拍手している。
、、、、え?  僕の方を?
どうやら僕はぼーっとしていたためリーダーになってしまったようだ。
なんてついてない。こんなめんどくさいこと、思わずため息が溢れる。
「風磨がやるなら女子のリーダー私やってもいいよ!」桜がきりだした。僕はびっくりしすぎて言葉も出なかった。
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