エモーションラブ
5. 自殺と奏の大事な方

ある日の夜。
藍と奏はいつも通り電話で話していた。
藍はスマホを持ってなかったから、
奏は家にかけてくれていた。
ただその日は藍の調子がものすごく悪かった。
奏に藍は死ぬ。といいだした。
奏がやめろ。と言おうとじゃあ俺も死ぬ。
と言おうと、おさまらない。
いつもなら藍は奏には生きて欲しいから
奏にやめて、って言ってやめたり、
もし別の人格でも奏にはしんでほしくないらしく
治るのだが今回はそうは行かないらしい。

「やめてーー」

急に高い声が藍の電話越しに響く。

「今はこんな声しか出なくてごめんなさい。」

それは奏の声ではなかった。
藍はまだ誰かわかってない。

「奏？」

「分からない？」

気づいたら藍の目には涙が溜まっていた。

それは奏の大事な方。
奏の元彼女。

「藍は死なないで。」

死んでしまった方と話すなんてありえない事
なのかもしれないが、今の藍はそんな考えは
おもいつかなかった。
その方は奏の事語りながら藍にいった。

「奏の事、幸せにしてやってくれないかな。
奏には藍が必要なのよ。」

藍は奏を幸せにしたい。それが本当は叶えたい事
ただ藍は奏を苦しめてる。だから死ぬ事しか
考えられない。

藍は涙がとまらなかった。だからうん。
としかこたえれなかった。

「奏の事幸せに私ができるのかな。」

「奏を幸せに出来るのは藍しかいない。」

「頑張ります！」

「大丈夫。藍なら奏幸せにできるよ。」

その大事な方は藍の様子に安心したように
藍に別れを告げた。

「藍？ごめん。なんか寝てた。疲れてた。
何でそんなに泣いてるの？戻ってきてくれた？」

藍は何回も奏の名前を読んだ。
奏にさっき起こったこと話した。
奏はまたあの方に助けれた。といった。
あの方は、ずっとみててくれる。
そう思うと藍は不思議と奏との未来を
しっかり考えるようになった。
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