お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
あ!思い出した!



「ここ、Emperorがいる事務所だ·····!」



こんな身近なところにチャンスがあるなんて。



このオーディションに受かったら、Emperorのみんなに、千歳くんに会えるかもしれない!!!!



·····ダメだこんなミーハーな気持ちで合格したらファンに殺される。



必死に煩悩と戦っていると、ある文字が目に飛び込んできた。



「グランプリは·····100万円!?」



何だこの大金!



しばらくバイトなしでも生きていけるじゃないか·····!




それに、合格してテレビや雑誌に出られるようになったら私の頑張っている姿をいつでもお母さんに届けられる。



そしたらきっと、少しは安心してくれるんじゃないかな。



「よし、決めた。」



こんな千載一遇のチャンス、二度とない。




深く深呼吸をしてから頬をパンと叩き、気合を入れる。




「絶対にグランプリ取ってみせる!」
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