お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
「でもそのおかげで沙那ちゃんに出会えたし、俺はこれでよかったと思ってるけどね〜!」



·····少しでも心配した私が馬鹿だった。



そうだこの人はこういう人だったわ。



でも、今はその煩さが心地良いかも·····なんて。



本人には絶対言わないけど。



だって調子乗る未来しか見えないもん。




「·····ところで、お願いって結局何なんですか?」



「もう済んだよ?"俺の話に付き合ってほしい”っていうお願い。」



「え、それだけですか?」



「何?奢らされるかと思った?」



「はい·····」



今まで優雅に片肘をついていた尚さんは、私の返事を聞くなりお腹を抱えて笑い出した。



笑うな!!!!



·····絶対奢らされる思ってわざわざ銀行に行ってお金引き出したのに!



私の大事な時間返せ!!




「体力も完全回復したことだし、今から特訓だ〜!On y va!(さあ行こう!)」



「え!?いや、その心の準備って物が·····!!」




それから尚さんによるスパルタ指導が始まったのであった━━━
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