お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
「ほけつ·····?って読むのかな?合格だって!"ほけつ"がよく分からないけど、とりあえず一次審査通過したね!おめでとう!」



いやいや、待て。



「いや、あの、一応合格ではあるんですけど······うーんなんというか······」



補欠の意味を知らないとなると説明がややこしい。



······この人本当に日本住んでるんだよね?実は宇宙人だったりする?



じゃあ今会話しているこの言語は何語······?



「ん?なんで沙那ちゃん嬉しそうじゃないの?合格したんだよ?」



どうして?と私の目を潤んだ瞳で見つめる尚さん。



やめて!そんな純粋な目で私を見ないで!!



ローテンションの私にショックを受けたのか、ぐすんぐすんと泣き真似をし始める大の大人。



それでも違和感がないのはきっと顔のおかげ。くそっ、ずるい。



「そっか······沙那ちゃんにとって俺はそんなちっぽけな存在だったんだね······」



うえーん、と言いながら泣き真似をする186cmの大男の姿はかなりシュール。



でもちょっとかわいいかも······



······はっ!危ない。また尚さんに<ruby>絆<rt>ほだ</rt></ruby>される所だった。
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