お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
お兄ちゃんが家を出ていった日の夜、あまりの寂しさに病院に駆け込んで大泣きしたことは今でも鮮明に覚えている。
"お母さんならきっと私の寂しさをわかってくれる"
そんな望みが、私の気持ちが、お母さんからの「そう······」の一言で呆気なく打ち砕かれたことも。
何度訴えても、返ってくるのはその一言だけ。
『どうしてお母さんはお兄ちゃんのことを責めないの? 』
『私を一人にしたんだよ?』
いくら声を荒らげても、泣き喚いても、その時のお母さんは今までにないくらい頑なに口を開こうとはしなかった。
看護師さんに止められて収拾こそしたけれど、あのときのお母さん気持ちは未だ謎のまま。
それからは、お母さんの貯金を切り崩しながらの生活。
高校に入ってからはバイトも始めた。
「節約」という言葉をこの数年間で何回言ったんだろうってくらいに切り詰めた厳しい生活。
正直、友達が仲良く食べ歩きしているのが羨ましかった。
オシャレな服を着て出掛けているのが羨ましかった。
『なんで私だけがこんな生活しなくちゃいけないの』
何度も何度も、暇があれば考えてしまうくらいに私の心は悲鳴をあげていて。
だから私は、
私を、家族を見捨てたお兄ちゃんを
一生許せそうにない。
"お母さんならきっと私の寂しさをわかってくれる"
そんな望みが、私の気持ちが、お母さんからの「そう······」の一言で呆気なく打ち砕かれたことも。
何度訴えても、返ってくるのはその一言だけ。
『どうしてお母さんはお兄ちゃんのことを責めないの? 』
『私を一人にしたんだよ?』
いくら声を荒らげても、泣き喚いても、その時のお母さんは今までにないくらい頑なに口を開こうとはしなかった。
看護師さんに止められて収拾こそしたけれど、あのときのお母さん気持ちは未だ謎のまま。
それからは、お母さんの貯金を切り崩しながらの生活。
高校に入ってからはバイトも始めた。
「節約」という言葉をこの数年間で何回言ったんだろうってくらいに切り詰めた厳しい生活。
正直、友達が仲良く食べ歩きしているのが羨ましかった。
オシャレな服を着て出掛けているのが羨ましかった。
『なんで私だけがこんな生活しなくちゃいけないの』
何度も何度も、暇があれば考えてしまうくらいに私の心は悲鳴をあげていて。
だから私は、
私を、家族を見捨てたお兄ちゃんを
一生許せそうにない。