お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
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今日は久しぶりのお見舞いの日。



いつものように、病室に飾ってあるガーベラの花を綺麗に整える。



最近は自分でも手馴れてきたなーなんて思うようになって。······本当なら慣れたくないものだけど。



そうだ。今日はね、お母さんに言いたいことがあるんだ。



「ねぇお母さん。」

「······どうしたの?そんな真面目な顔して。」



真面目な顔をする私があまりにも珍しいからか、編み物をしていた手を止めて私に視線を移す。



······私、お母さんが入院してから今までずっと、お兄ちゃんに頼らなくたって生きてこられたよ。



だから、



「お母さんのことは私が守るよ。」

「ふふっ、ありがとう。」



そう言って目を細めて微笑むお母さんは今にも消えてしまいそうなくらい儚い。



表情こそ笑っているけれど、今のお母さんの笑顔はなんだか見ていて痛々しくて。



······無理して笑ってるのくらいわかるよ。何年一緒にいると思ってるの?



そんな私の気持ちを察したのか、お母さんは物憂げな瞳で窓の外の木々を見回した。
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