お兄ちゃんが芸能人だなんて信じられません!
「ここか······第7スタジオ。」



医務室からかなり近かったからすんなり来られた。もはや扉開けたら見えてたし。



それにしてもここ······広っ!!



スタジオというよりもはやホールのよう。



「失礼しまーす······」



そこではもう既に多くの女の子がそれぞれの特技を披露していて。



すごいなあ。自分の強みをすごく理解してるっていうか。



そして何より、



可愛い子ばっかり!みんな顔小さい!



高度なオーディションの様子に目を奪われていると、ステージ前に女の子たちが並んでいる列を発見。



どうやらあそこがオーディションの待機列らしい。



恐れ多くもちゃっかり並んでみた。ドキドキ。



すると、



グルグル······キュルルルル······


「くっ······」



出たな腹痛さんよ。



止まらない冷や汗。



その原因は緊張からか腹痛からか。



······なんて知るかっ!誰かストッ〇ちょうだい!ストッ〇!



「ありがとうございました!」



結局私にストッ〇が手渡されることはないまま、回ってきてしまった出番。



不安になってちらりと後ろを振り返る。



が、そこには見事なまでに人の気配がない。



そこでようやく、私は自分がトリを務めるということを悟った。



関節がカチンコチンになりながらステージに上がると、客席でオーラを放ちながらでかでかと座っている人たちが数名。



あそこにいるのは······



Emperorとお兄ちゃん······と尚さん!?
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