冬〜二人で、ずっと一緒にいようね〜
「はい!これ、ナオに似合うと思って」

「えっ!?嬉しい!!」

「お待たせ〜!映画、楽しみだね〜」

「あとであのお店に行こう。高田くんに似合いそうなマフラーがあるよ」

ショッピングモールに行くと、周りはカップルだらけだった。誰もが嬉しそうに笑い合って、幸せそうだ。

本当なら、私も冬樹くんとこうして笑い合っているはずだった。可愛らしいマグカップを持つ手が震え、私はそのマグカップを棚に戻す。

聞きたくないと思っても、カップルの楽しげな声は耳に聞こえてくる。嫌だ、聞きたくない。外に出るんじゃなかった。

後悔と、痛みでどうかなってしまいそうだ。ダメだ。立っていられない……。

ふらりと体の力が抜けて倒れそうになる。そんな私の体を誰かが支えてくれた。

「す、すみません……」

顔を上げた私は、支えてくれた人物を目にして驚く。それは会社にいるはずの冬樹くんだった。

「冬樹くん!?どうしてここに!?」
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