冬〜二人で、ずっと一緒にいようね〜
イルミネーションを見に来たカップルは私たちだけじゃなく、多くの人が一緒に写真を撮ったりしている。

「僕らも撮ろうか」

冬樹くんがスマホを取り出す。私は頷き、二人で写真を何枚か撮った。二人で自撮りなんて照れくさい。

「クシュン!」

冷たい風が吹き、私はクシャミをしてしまった。せっかくのデートなのに……。

「ごめん」

「ほら、僕のマフラー貸してあげる」

冬樹くんが笑って私にマフラーを巻いてくれた。紺色のマフラー。私が去年にクリスマスプレゼントととして渡したものだ。

「これ、使ってくれてたんだ」

「当たり前でしょ。とっても気に入ってるよ、ありがとう」

「冬樹くんの匂いがする」

「そりゃあ、僕が使ってるからね」

冬樹くんは私の頭を撫でる。とっても心地いい。そうだ、プレゼントを渡さなきゃ!

「冬樹くん!プレゼント!」

私は、かばんの中からラッピングされたプレゼントを出した。デート用のかばんに入れっぱなしでよかった。
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