空中庭園~アルの物語~
側へかけよると、黒猫はみるみる青年の姿に変わった。



「アル、会いたかった。幸せになったんだね…愛しいアル…本当に嬉しいよ」


いつまでも記憶の中にいたセタの姿と声。

あなたのおかげで私は人生を全うしたの。


「セタ…長らく待たせてしまったわね…ありがとう、愛しいセタ…」


黒髪を撫でると、セタは気持ちよさそうにして、また小さな黒猫へと戻っていった。


そして後ろから夫が近づいてくる。


「アル、少しお茶をしてからいこうか。セタと僕とアルで、色々話をしよう」


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