偽りを捨てて。
私をついさっきまで悩ませていた元凶が見える。
私マジで病んじゃったかな。
だってねぇ…?
こんな所に、しかも授業中に。
……隣の席のアイツ………有尾がいるだなんて。
幻覚でも見てるのかしら。
少し近づくとこちらをちらりと見た。
あ、気づいた。
でもすぐにふいっと目をそらす。
あー、そうですか。
そうでしたよね、あなたは私が一番大っ嫌いなんですよね。
はいはい、分かってますよーだ。
私は有尾とは反対にある柵にもたれて、空を見上げる。
なんか……変な感じ。
私を嫌ってるってわかってる人と、平然と同じ空間にいるなんて。
……あー、意識したらまたイライラしてきた。
……!
あ、そうだ。
今ここにいるんじゃん。