偽りを捨てて。
屋上へ向かいながら茉白が口を開く。
「美織ってば、モテちゃって~!女の子にもモテモテな私の天使ちゃんね!!」
…また能天気なこと言って。
「えぇ~、そんなことないよっ!それに私は天使なんかじゃなーいっ!!!」
嘘、私は完璧な天使。
私の演技でそうしてるんだもん。
「またまたぁ~、謙遜しなくてもいいのよ?」
「謙遜なんかじゃないよ~」
目にうっすら涙を溜める。
こんなこと計算してやれば簡単。
「あ~!泣いちゃった!!泣かないで~、ごめんよー!」
はぁ、疲れる。
毎日自分を隠して生活するのはラクじゃない。
でも私はこんな生活に慣れてしまって、やめることが出来なくなってしまった。