偽りを捨てて。
そんな声を聞いて、周りの人が集まってくる。
面倒事持ってきた…!!!
「美織ちゃん話そーっ」
「美織ちゃーん!」
「美織ちゃん、趣味教えてよー!」
対応するのが面倒くさい。
「え、えーっと……」
戸惑ってるのにも気づいて欲しいんですけど……。
そんなことを考えていた時。
「ねぇねぇっ!有尾くんも思うよねっ、美織ちゃんがめちゃくちゃ可愛いって!!」
そう女の子が声をかけるのは私の隣の席である有尾 柊羽-アリオ シュウ-。
顔がすごく整っていて、人気があるけど少し謎が多い人。
あまり喋ることは無い。
「…は?」
急に会話に混ぜられて困惑している有尾くん。
「だから!有尾くんも美織ちゃん可愛いと思うよねーって!」
何を聞いてるんだこの子……。