偽りを捨てて。




「いや……」



周りも有尾くんの反応が気になるのか、場が静まる。



「あのさ、悪いんだけど……」



ゴクリ、と誰かの唾を飲む音が聞こえた気がした。




「俺、お前みたいなやつ……大っ嫌いだから」





……は!?



「えっ……と?」



聞いた女の子も想像だにしない答えだったようで動揺している。



聞く前に比べると天国と地獄かと思うほど場が凍りついている。



しかももうお昼休みも終わりに近く、多くの人が教室に戻ってきている。



私はなんで周りのせいで多大な被害を受けているんだろう……。



ていうか、これどういう状況なの?



私、反応した方がいい?



これどう収集するのよ……。




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