リスタート。
出会い
出会いは十年前、高校の入学式だった。
10年前の四月。
少し肌寒くて雨が降っていた。
髪の毛がうまくまとまらず、憂鬱な気分でこれから通う高校に向かった。
同じ中学から同じ高校に進学した同級生はおらず、もらったクラス名簿を見ても知らない人ばかりで不安な気持ちでいっぱいだった。
緊張しながら教室の扉を開けて見たけど、早く着きすぎたせいで誰も居ない。
不安な気持ちに駆られながらも何もすることがないので、スマホを眺めて時間を潰すことにした。
入学式の時間が近づくに連れてどんどん人も増えていき、教室がざわざわし始めた。
知り合いもいないし、人見知りの私はぼーっと過ごしている。
登校時間ギリギリになり、疎外感を感じて帰りたいなぁと思っていると突然「ギリギリセーフ」と大きな声が聞こえた。
教室内にいた全員の視線が声の主に集まり、私も声がした方向を向くと、爽やかな雰囲気が印象的な男の子が立っていた。
彼は出席番号が私の前らしく、前の席に座った。
振り向きながら私に「C組ってここで合ってます?俺間違えたかと思っちゃった」と大きな声で話す彼は距離感が近くて苦手なタイプだし、私とは縁がないだろうなと密かに思いつつ、ぶっきらぼうに「合ってますよ」と答えた。
10年前の四月。
少し肌寒くて雨が降っていた。
髪の毛がうまくまとまらず、憂鬱な気分でこれから通う高校に向かった。
同じ中学から同じ高校に進学した同級生はおらず、もらったクラス名簿を見ても知らない人ばかりで不安な気持ちでいっぱいだった。
緊張しながら教室の扉を開けて見たけど、早く着きすぎたせいで誰も居ない。
不安な気持ちに駆られながらも何もすることがないので、スマホを眺めて時間を潰すことにした。
入学式の時間が近づくに連れてどんどん人も増えていき、教室がざわざわし始めた。
知り合いもいないし、人見知りの私はぼーっと過ごしている。
登校時間ギリギリになり、疎外感を感じて帰りたいなぁと思っていると突然「ギリギリセーフ」と大きな声が聞こえた。
教室内にいた全員の視線が声の主に集まり、私も声がした方向を向くと、爽やかな雰囲気が印象的な男の子が立っていた。
彼は出席番号が私の前らしく、前の席に座った。
振り向きながら私に「C組ってここで合ってます?俺間違えたかと思っちゃった」と大きな声で話す彼は距離感が近くて苦手なタイプだし、私とは縁がないだろうなと密かに思いつつ、ぶっきらぼうに「合ってますよ」と答えた。