懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
今、『好きな女の子』って言ったの? 好き? ……私を?
亮介の放った言葉が、里帆の頭の中をぐるぐると駆け巡る。心臓は経験したこともないほどに早鐘を打っていた。
亮介ほどのなんでも持っているような男が、自分を好きだなんてにわかには信じられない。
「いいか? 次はないと思え。今度はただでは帰さないからな」
そう言って亮介の腕の力が強められる。
思いもよらないことを言われ、なにも返せない。ただ高鳴る胸を持て余して、亮介の腕に抱きしめられたのだった。