懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


大好きなスイーツそっちのけなのだから、由佳はきっと話を聞くまで諦めないだろう。


「……雷が鳴ってね」


ポツリポツリと話しだす。


「雷? うん、それで?」
「ホテルの部屋にひとりでいるのが怖くなっちゃって」
「あぁ、里帆、雷が大の苦手だもんね。……ちょっと待って。えっ、まさか副社長の部屋に行ったって言うの!?」


そんなに驚かれると言い出しづらい。


「気が動転しちゃったの……」
「もしかして!」


由佳が両手で自分の口もとを押さえる。これ以上ないほどに開いた目は、満月もびっくりの真ん丸だ。
期待を込めた反応をされると、なにもなくても顔が赤くなってしまう。


「違うからね? 由佳が今想像したようなことにはなってないからね?」


大慌てで訂正する。
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