懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


「……うん」


素直に認めてうなずいた。


「じゃあ、里帆も自分の気持ちを伝えないとね」
「でも……」


言ってもいいものなのかと悩ましい。
仮にも相手はマリオスターの副社長。近い将来には社長を継ぐ立場だ。
そんな恐れ多い人に、正直に告白してもいいのだろうか。

だいたい、亮介が里帆を本当に好きな確証はない。亮介の言葉を聞き違えた可能性は捨てきれないし、里帆をからかっただけかもしれないのだから。


「あやふやな関係でいたら仕事をしづらくない?」
「はっきりさせてもしづらいのは変わらない気がする」


もしも振られたら、今後どんな顔をして亮介のそばにいたらいいのか。万が一にも恋人になれたとして、それでもやっぱりどんなふうに仕事をしたらいいのか。
どちらにしても同じだ。


「精神衛生上よくない」
< 112 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop