懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「降参。ほんと優秀な秘書様の里帆には敵わないな。でも〝みたい〟なんて言えないようにしてやる」
独占的なのに果てしなく甘い。その言葉だけで里帆の体は熱に浮かされ、じんと痺れてしまう。
「……私も、亮介さんをそうさせたい」
自分が亮介に溺れるように、彼にも〝みたい〟で済まないくらいにさせたい。
亮介は驚いたように少しだけ目を見開き、クスッと鼻を鳴らした。
「どっちが先にそうなるか勝負だ」
挑戦的に言った後、再び落ちてきた唇は先ほどまでとは違い、心ごとすべてを奪うようなキスで里帆を翻弄する。口腔内を激しくかき回し、舌を艶めかしく吸いたてた。
口づけに溺れている間に脱がされ、互いの素肌が重なり合う。彼の熱い唇が体中にキスを落とし、触れられるたびに息づかいが甘くなった。
互いの温度が少しずつ溶け合い、繋がることで果てしない幸せが満ちてくる。
「里帆……里帆……」
彼に切なげに何度も名前を呼ばれ、体を揺らされ、夜がゆっくり更けていく。
もうここにある愛以外になにもいらない。
亮介以外にはなにも。
そんな想いを込めて、里帆は彼に夢中でしがみついた。