懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


初めて胎動を感じたのは、半年ぶりに亮介と再会した日だった。あの日、気持ちが大きく揺れ動いたのはたしか。亮介に会って動揺したのが伝わったのではないか。


「だとしたら、里帆が俺をまだ受け入れてないってことか」
「ちっ違いますよ」


慌てて否定した。亮介ががっかりしたように見えて焦る。


「亮介さんには申し訳ないなって。いきなり子どもができたなんて困ったんじゃないかなと思って」


本来なら夫婦で決めるべき問題なのに、亮介の意見を聞きもせず勝手に決めてしまった。彼にしてみたら青天の霹靂だったろう。大きな負担を背負ってしまったのではないか。


「里帆、よく聞いて」


亮介は手を取り、里帆を真っすぐ見つめた。


「子どもができたと聞いたときに俺が困ったのは、里帆が頑なな態度で俺を拒絶したことだけだ。子どもなんてって気持ちにはこれっぽっちもなっていない。だから、里帆はもう俺の気持ちを疑ったりするな」
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