懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「里帆の馬鹿! 心配したんだからね!」
「……由佳、ごめんね」
「私にくらい話してくれたってよかったじゃない」
抱きしめた手でトンと軽く里帆の背中を叩く。
由佳にもなにも言わずに姿をくらませ、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「ほんとにごめんね」
「でもよかった。もう会えないんじゃないかと思ってたから」
里帆を引き離した由佳が目に涙をためながら笑う。
本当にその通り。同じように思っていた里帆も、由佳につられて目を潤ませた。
「感動の再会はそのくらいにして、中に入ったらどうだ」
亮介の言葉が合図となり、由佳と成島をリビングへ案内する。
「うわぁ、すごい。なにこの部屋」
由佳は口をポカンと開けたまま、部屋中をぐるっと見回す。