懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


普段とは違う体の状態に不安がないといったら嘘になる。


「俺に抱かれるの、怖い?」
「……ちょっとだけ」


正直に答えた。
里帆の心の中を言い当てる亮介はさすがだと思わずにはいられない。


「産科の先生にもちゃんとゴーサインもらったから心配いらないよ」
「えっ、いつの間に?」


そう聞き返してから思い出す。引越し直前に転院の手続きをしに行ったとき、亮介だけが診察室に残ったことがあったのだ。
あのときにそんな確認をとっていたとは。


「里帆もお腹の子も順調だから、夫婦生活は大丈夫だそうだ。妊娠中は母性が強くなって、そういったことは考えられない女性もいるから、里帆の気持ちを第一にするのが大前提だって釘は刺されたけどね」


亮介は照れ笑いをした。


「だから無理強いはしない」
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